たらした前髪で顔がよく見えないけどやたら暗い顔をしたニンゲンです。そこへ行くと誰もいませんでした。いられても困るけどいないのも困ります。とりあえず怖くて叫んでおきました。
それからどうのこうのしてシャワーを浴びているとどうも視線を感じます。怖いので部屋に転がっていた車にひかれた猫と一緒にシャワーを浴びることにしました。
乾燥していた車にひかれた猫は水をふくみグジュグジュになって排水口に破片を吸いとられていきました。僕はそれをじっと見ながら髪を洗っていました。
さっき僕を覗いていたニンゲンは排水口を凝視している今の僕だったのかもしれない。
初潮?
とか思ったけど思い出しました。
公衆便所からハンカチふきふき外に出ると血を吹いている車にひかれた猫が痙攣していたのです。便所ハンカチで猫を拭くのもナンなのでパンツーで拭いたのです。
今思うとどっちもどっちじゃん、とか思うけどあの時は名案だと思ったのです。だってパンツーで拭く、だよ。画期的だと思ったんだもの。